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スキルス胃がんだったとは!

夫がスキルス胃がんステージ4の告知を受けてからのこと

「胃がん 4型」

もちおが告知を受けた日の深夜。

わたしはもちおが眠った後、リビングでひとり「胃がん 4型」で検索した。4型とはスキルス胃がんと呼ばれる進行がんのことだった。

 

スキルス胃がんは胃粘膜に浸潤するタイプのガンで、発見が難しく進行が早い、そのため生存率が低さが顕著だということだった。逸見政孝手塚治虫はスキルス胃がんで亡くなった。2012年に宮迫博之もスキルス胃がんで手術をして胃の1/3を切除していた。

 

がんは進行の度合を四段階にわけてステージ1、ステージ2とステージごとに呼ぶ。もちおがどのステージにいるのかこの時点ではわからなかった。しかし検索結果はとにかく暗い話ばかり。明るい口調なのは「まず治ることはないので旅行にでもいって、やりたいことをしてすごしましょう」と他人事のやけくそ気味なものだけだった。

 

ないの?なんか、ないの?治った話とか、効果的な治療法とか。

 

「そうか。年末の胸ふたがれるような予感はこれだったのか、なるほど!」という映画でも見ているような気持ちと、「待って待って、待って待って待って、ちょっと待ってやめて、元に戻して」という気持ちが襲ってきた。突然屋上の柵の向こうへ押し出されたような気分だった。

 

寝室に戻り、眠っているもちおの横顔を眺めていたらびっくりするほど泣けてきた。

起こしたらいけない。わたしは落ち着いていないといけない。喉を絞めて声を殺すと苦しくて、もちおも苦しいのかなと思うとさらに涙が止まらなくなった。

 

「あんなにいったのに、どうして無茶ばかりするんだ!」と腹立たしくやりきれない気持ちと、「わたしと一緒にならなかったらこんな苦労もしないですんだのに。結婚したのが間違いだった」という思い。「待って待って噓でしょ」「やっぱりね、あれもこれもこのことだったのよ」もぐるぐるまわって夜は更けた。

 

この頃のもちおは食べられないだけで、肌つやもよく、声にも覇気があった。たくましい腕に厚い胸板ですやすや眠るもちおはいたって健康そうに見えた。「いつかもちおがいなくなる日が来たらどうしよう」とこれまで何度も思ってきたのに、まだ何の覚悟も出来ていない。

 


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